福岡県労働委員会から不当労働行為と認定され、救済命令が発せられる事態も起こっています。
大学には、教授会という教員による審議組織があり、教授会には、学部の4年生までの教育を担当する学部教授会と大学院の教育を担当する大学院教授会の2つがあります。寺尾学長は、その大学院教授会の長(=大学院研究科長)に就任するはずだった教員の任命を拒否しつづけました。そして就任予定日前日に規程を変えて、別の研究科長を選任しました。就任予定だった大学院研究科長は、規程に基づいて大学院教授会で選考された教員でした。その規程を変更し、学長自らが指名する形にしたのです。
また、それまでの間、大学院の教授会と当時の大学院研究科長に対して、大学院教授会での選考をやり直すよう叱責や恫喝のような指示もされました。その翌年からは、教育学部長(=教育学部の長)も学長指名になる規程に改められました。
大学には教授会とは別に、役職者と教員代表による教育研究評議会という審議組織もあります。その教員代表の一人を評議員に指名することも学長は拒否しました。
評議員になる予定だった教員も、教育研究評議会の規程に基づいて講座(=教科別等で区分される教員組織)から推薦された人でした。しかし、その教員が、大学に対して未払い賃金請求訴訟をしているという理由で、学長は指名を拒否しました。この賃金請求訴訟は、教職員組合の全面的支援を受けた訴訟であり、他の国立大学でも同様の訴訟が見られます。雇用者が、不当と思われることに訴訟を起こす権利は当然あるはずです。
人事に関するヒアリングが行われた際も、当該教員の講座については、学長面談を拒否して櫻井理事に代行させました。
これらのことや、学長が全学説明会で、組合のビラ配布を非難攻撃する発言を行い,その発言を文書として大学ホームページに公表したことは、不当労働行為として認定され救済命令が出されました。しかし、この認定が出たのは、学長選考が終了して約2ヶ月後のH28年1月29日でした。