11月24日に、定例の教授会がありました。学部教授会の審議事項として、新規採用教員の人事と、昇任人事があがりました。教科別であった初等選修制を廃止し、初等教育教員養成課程を一本化した際に、教員組織も教科別の講座制を廃止されようとしているのはこれまでお伝えしたとおりです。現在は新しい教職教育院と講座の両方がある状態ですが、今回は、寺尾副学長が院長を務める教職教育院が採用人事と昇任人事を行う初めての事例でした。
採用人事については、これまでの講座主体人事では、講座主任が説明を行ってきましたが、講座に換わる位置付けの教職教育院の長である寺尾副学長は出てこず、かわりに副院長が出てきて説明をしました。教授会資料にも説明者は「副院長」と記載されていました。 寺尾院長に出て来て説明をするよう、教員が何度も求めましたが、学部長により却下されました。
教職教育院副院長の説明から、人事に関する驚愕の事実が明らかになりました。 これまでの人事では、研究教育上の専門性が近い講座で業績審査を行い、講座構成員全員で候補者を決定していました。 しかし今回の教職教育院人事では、教職教育院全体でなく運営委員会という限られた教員と事務職員メンバーによる組織、しかも寺尾院長指名によると思われる、当該候補者の専門とは必ずしも関係のないメンバーによる組織で、候補者を選んだことが明らかになりました。
採用人事における当初の公募職名案が准教授・教授であったところを、寺尾院長の発案で講師まで加えたことも、知り合いをねじ込もうとしたのではないかという疑念を持たざるを得ませんでした。
昇任人事について、さらに明確に驚くような事実が発覚しました。 まず寺尾院長と副院長により、昇任人事に推薦する3名を選び、さらにその中から2名を選んだのち、業績の現物による内容審査をまったくしないまま、院長指名による運営委員会メンバー、その後の資格審査会メンバーにより選考されたことがわかりました。
つまり、寺尾院長が領域を無視して選んだ教職教育院の限られた運営委員によって独断的に選ばれた候補者に対して、、業績内容審査も行われないまま、次の段階の審査である資格審査会委員(すべて寺尾院長による指名)により審査され、昇任人事として教授会の審査事項に上がってきたというわけです。
教授会は、採用人事も昇任人事も以前のように、投票を行うように何度も強く求めましたが、「はい、意見を聞きました。上に伝えます。」と、学部長に一切却下されました。 学部長が、教授会での議論をきちんと上に伝えていないことは当日別途明らかになりましたので、教授会後にきちんと「上へ伝えた」のかも甚だ怪しいです。
加えて言えば、教授会規程変更以前は人事案件は原則投票で、しかも2/3 以上で決する重いものでした。 その時点であれば、とてもこんな人事案件をあげられなかったはずです。現行規程でも、業績審査のみとはいえ、教授会構成員から要望が出れば教授会審議となっているからには投票してよいはずですが、「投票するかどうかは議長に決める権限がある」と学部長は頑なでした。
寺尾教職教育院長が、これまでの教員人事の慣例や規定を無視して行った今回の採用人事と昇任人事は、大学の私物化以外の何物でもありません。 大学における教員人事というものは、研究と教育の自由を守る観点から、これまで公平かつ客観的に行われてきました。それが今回、寺尾教職教育院長による、いわば一組織の長による独断的な選考が行われたことは、大学運営についての明らかな恣意的運営であり、人事を握ることで組織全てを支配しようとする明確な意図の表れです。 「テラオ院長に物申すものは本学では昇任させない」という、凍りつくようなメッセージが学内に発せられたとも言えるでしょう。
このままでは、今後まともな研究も教育も本学では行われません。 近い将来、本学教員の多くが、学長や役職者のご家族や関係者だらけになっているかも知れません。 そんなバカげたことが起こる訳ないと思わないで下さい。 福岡教育大学では、もはや、大学としての常識はもちろんのこと、世間一般の常識も通用しないのです。 今、みんなで声をあげなければ、必ずや後悔する瀬戸際までもう間違いなく来ています。 福岡教育大学は、学長ではなく、寺尾教職教育院長による院政が行われていることも、明明白白となりました。