本学では、28年度初等教育教員養成課程について、教科ごとの選修制が廃止されたことは、記事でも何度もお知らせしてきたとおりです。
初等教員養成課程の28年度生が2年生となり、学生の間では、 「3年生になったら先輩と同じように教科ごとのルームに分かれると思っていた」という誤解が広がっているそうです。 「3年生以降のルームや卒業研究のことを担任に尋ねても、明確な答えが返って来ないため、よくわからない」と言う声も聞こえてきます。
初等教員養成課程の28年度生からは、3年生になっても教科ごとに分かれることはありません。 中学校2種免許取得に関しては、28年度生(現2年生)は副免のための科目の履修は可能になっていますが、混乱は続いています。(昨年度は、受講希望者には急遽受講を認定するためのテストをすることになりましたが、テスト結果の取り扱いについても不明確な形で実施され、また、昨年度と今年度でも、テスト結果の取り扱いは異なる形になるとされました。)
いずれにしても学生には不透明で不安なことでしょう。
(実は教員にも不透明なのですが。)
このような状況下、初等の2年生については、3年次の附属小学校等での教育実習の教科が、機械的に振り分けられたそうです。 学生からは、「私は他の教科で実習をやりたいと何度か担任に訴えたが、無理だと言われた」などの声も上がっています。 教科ごとの人数のアンバランスが想定されるため、学生の希望に沿って、実習教科を振り分けることは、不可能だということでしょう。 また、中学校2種免許取得を希望している学生についても、その教科はまったく考慮されなかったとのことです。
初等の学生が選修教科を持たない状況の中で、附属小学校での教育実習をどのように実行するのか、大いに疑問です。 小学校では教員はすべての教科を教えるのだから・・というのが、大学執行部の方針ですが、小学校においても、専科の方向は増えそうですし、そもそも附属小学校での教育実習において、すべての教科を等しく教えるようなことが可能なのでしょうか。
これまでの初等学生は、選修教科がありましたので、その教科を附属小学校で主担当教科として教える形の実習でした。 ところが28年度生(現2年生)からは、選修制が廃止されたために、主担当教科が機械的に振り分けられたという訳です。これは、従前通り、附属小学校での教育実習において、主担当教科があることを意味するのではないでしょうか。
長年本学は、教育実習において、学生の選修教科を主として教える形で実習を行ってきました。 それでも教育実習は学生にとって、相当タフな体験でありました。 学生の中からは「自分の不得意な科目で、しかも大学であまり学んでいない科目の担当となり、とても不安である」という声も出ています。
附属教員と学生がチームティーチングで授業を行う形の実習に変えるということも提示されていますが、学生が一つの授業を自ら作り上げる体験をしない教育実習の有効性についても、疑問です。
今年から始まる基礎実習、観察参加など、特に初等課程の2年生の精神面が心配されます。