本学ホームページに、大学紹介ビデオが掲載されました。 一般向けと高校生向けと2本ありますが、 いずれもYou Tubeに接続される形でアップされました。
これらの中で、櫻井学長が本学の良さをアピールされていますが、頭をひねる箇所があります。
「大学になると、特にうちのような教員養成大学では、大学で手にすることのできる知識は、ごく一部に限られている。 問題を見つけて解決するためには、自ら汗を流して知識を探し回る。図書館に行ったり、仲間に聞いたり、先生に質問したり。」
学生が、実践型の手法で、知の獲得を目指すことは確かに重要ですが、「うちのような教員養成大学では、大学で手にすることのできる知識は、ごく一部に限られる」とは、一体どういうことなのでしょうか。
福岡教育大学学則第2条にあるように、「福岡教育大学は、学術の中心として深く専門の学芸を研究教授するとともに、広く知識技能を開発し、豊かな教養を与え、もって有為な教育者を養成し、文化の進展に寄与することを目的とする。」を本学の目的として掲げています。
本学はこれまで豊かなカリキュラムを構成し、学生に多くの専門的な知識を教授してきました。
28年度改革によって、初等選修制は廃止され、教科の専門性を深めることは難しくなり、初等教員養成課程の学生は、複数免許が非常に取れにくくなりました。しかしながら、中等教員養成課程は、中高1種免を出し、教科の専門性をなお保証しています。
「本学のような教員養成大学で手に入れることのできる知識はごくわずか」との学長のことばの意味に、疑問を持たれる方はおられるでしょう。
「英語習得院」の内容も、問題です。
将来、小学校で役に立つ英語の実践的能力を身に着けさせることを目的としていると、力説されています。
しかしながら、記事でも掲載してきたように、英語を含めすべての外国語について、以前は最大10コマ履修できる体制であったものが、櫻井学長、寺尾副学長の28年度改革によって、履修するコマ数が2コマへと激減させられてしまったのです。 いま本学では、学生は基本的に4年間で、正規の外国語を2コマしか履修できません。
正規カリキュラムを激減させたため、課外クラスをいくら作っても、学生が英語(外国語)を学べる総時間数は、大幅に減ったというわけです。
「英語という道具を使って世界へつながろう」というメッセージに表れているような素人的発想によって、「英語習得院」構想が未だに推し進められていることがわかります。 昨年度の最終受講生数が片手で余るような状況も聞こえてきます。
新学習指導要領においては、小学校において、英語は教科となり、そこでは、4技能を盛り込んだ学習内容となります。 もはや小学校教員の「コミュニケーション能力」云々をことさら打ち出している場合でないことは、皆様お分かりでしょう。