寺尾副学長ご監修の本『だれも教えてくれない教師の仕事の流儀と作法―信頼され、敬愛される教育者になるために―』が出版されたことはすでに記事でもお知らせしたとおりです。
Amazonのサイトには、この本に関する書評が出ていますが、「文科省のホームページに酷似」「文科省通知文書を要約か?」という問題が指摘されています。
本書を学生のテキストや資料として購入させてよいのか、疑問です。
しかし、これのみならず、同様の問題について新たな情報をいただきました。
本書第8章は「教育実習」に関わることですが、この内容は学生に無料で配布されている『教育実習の手引き』と内容が重なるのではないか、とのことです。
第8章は教育実習一般の内容とともに、本学の教育実習に関わる事柄が記載されており、その内容は『教育実習の手引き』で説明されていることと重なるところが多いです。
また、たとえば以下のようにある箇所は、ほとんどそのまま『教育実習の手引き』から引用された形で掲載されていますが、引用註釈等はつけられておりません。 しかもところどころ、少しずつ変更されています。
本書(4)教育実習の心得 pp.134~135
「教育実習を実りあるものにするためには、しっかりとした社会人としての心構えが必要です。
1つ目は、教師になりたいという強い意志をもって実習に臨むことです。教育実習は授業技術をトレーニングする場ではありません。教育実習を行う学校は子供たちが日々、学び合う場なのです。その中に実習生として入り込むということは、真剣に教育に向き合う姿勢でなければなりません。・・・2つ目は、教育実習が始まる前に、実習以外の仕事を最小限に減らしておくことです。・・・3つ目は、教育実習が始まる前に、十分な準備をしておくことです。・・・4つ目は、実習生には、教師としての立場と学生としての立場があることを理解して行動することです。・・・5つ目は、教師としてのふさわしい服装、言葉づかい、態度を心がけることです。また、実習生として、清潔で、若々しくさわやかな雰囲気でなければなりません。・・・あいさつは、人間関係の第一歩です。」
本学『教育実習の手引き 平成29年度版』 pp.16~17
「教育実習を実りあるものにするためには、大学生活とは異なるしっかりとした心構えが必要である。
第1節 教職に就きたいという強い意志を持って実習に臨む教育実習は、授業技術をトレーニングする練習の場ではない。教育のプロフェッショナルを育てるために教育実習が行われるが、実習を行う学校は子どもたちの学習や遊びの場なのである。その中に実習生として入り込むということは、真剣に教育に向かう姿勢でなければならないのは当然である。・・・
第2節 教育実習が始まる前に、実習以外の仕事を最小限に減らしておく・・・第3節 教育実習が始まる前に、充分な準備をしておく・・・第4節 教員としての役割と学生としての立場があることを理解して行動する。・・・第5節 教育者としてふさわしい服装、言葉遣い・態度を心がける・・・あいさつは人間関係の始まりの第一歩である。」