《小中一貫教育を推進する地域にありながら、本学では小中教員の1種免許状を両方取得することができなくなりました・・》(2017年12月13日)


 福岡教育大学がある福岡県宗像市は、平成18年度から小中一貫教育を推進し、すでにその試みは平成18年度から平成25年度までの8年間を第1期、平成27年度からは第2期と定めて、全ての中学校区において、小中一貫教育の取り組みを行ってきました。

 平成27年度からの第2期は、「生きる力としての確かな学力、豊かな心、健やかな体を育む学校力を向上させていくために小中一貫教育をさらに推進していきます。」と宗像市は謳っています。

 福岡県においては、八女市や飯塚市なども、小中一貫や小中連携教育を積極的に進めており、また福岡市も規定整備が整い、本年度第一段として、能古島に小中一貫校を設置しました。ここではグローバリゼーションを強く意識した先進的な取り組みが行われています。

 小中一貫校に勤務する教員は、現状ではそれぞれの学校種の教員免許を持っていれば勤務は可能ですが、新学習指導要領の総論の部分において、小中高の学習を見通した教育が求められることが吟われていることからも、今後は小中学校の両方の教員免許保持が求められていくことでしょう。

 小学校での教科の専科担当も、すでに小学校5、6年では、理科や音楽などは比率が高く、今後は中学への学びの接続をより意識して、ますます増えていくでしょう。

 福岡県は、これまで小中の両教員免許保持者の割合が低く、そのため、今後の小中一貫校、あるいは小中連携教育推進のために、福岡教育大学が頼みの綱だったのに、初等の選修制廃止により小中両免許が取れにくくなったことは本当に残念、という教育委員会関係者の意見もあります。

 教育系の他大学の状況を見ても、本学のように免許種を絞る改革ではなく、複数の教員免許取得を可能にする方向へ動いています。

 初等教員養成課程の学生は、どんなにがんばっても、制度的に中高の1種免許を小学校1種免許と同時に取ることができなくなったのです。 また、中等教員養成課程の学生も、小学校免許がこれまで以上に取りにくくなりました。 多くの教員が反対をしましたが、教職教育院の寺尾院長はこれらを無視して、学生に複数の免許を取らせない改悪を断行したのです。

 時代遅れも甚だしい。 寺尾院長は、どのように責任を取るつもりなのでしょうか。