小中一貫教育の制度化に係る改正学校教育法及び関係政省令・告示が平成28年4月に施行されたことを受けて、文科省が、平成29年3月1日付で以下の調査を行いました。
その調査結果「小中一貫教育の導入状況調査」が文科省のサイトに掲載されています。
これによれば、平成29年度に設置の義務教育学校は48校で、 平成30年度以降の設置予定数は52校となっています。 さらにこれとは別の小中連携、小中一貫校については、相当数の増加となっています。
制度上、この義務教育学校に勤務する教員は、「小中学校両免許併有を原則」としています。
「当分の間は、小学校免許で前期課程を指導、中学校免許で後期課程を指導することができる」となっていますが、原則は小学校中学校両方の教員免許を併有することが掲げられています。
また、小中連携、あるいは小中一貫校は、教員が所属する学校種の免許状を持って入ればいいことになっていますが、この調査報告書28ページに、「小・中学校教員免許状併有促進のための工夫」が取り上げられていることから、やはり小中両免許併有は、促進される状況であることがわかります。
福岡県では、本学のある宗像市、八女市などが、積極的に小中一貫教育を推進しており、宗像市大島では、平成30年より、大島小学校・大島中学校が統合され、義務教育学校としての「宗像市立大島学園」が開校されます。
このような状況であるにも関わらず、本学では、初等教員養成課程の学生が、中学校の教員免許を取ることが、相当難しくなりました。中学校1種免許を取ることは、ほぼ不可能となりました。
また、中等教員養成課程の学生が、小学校の教員免許を取ることも、以前よりずいぶん難しくなりました。
新学習指導要領においては、小学校、中学校、高校を見通した教育を行うことがうたわれています。
これからの教育を担う将来の教員を養成する教員養成大学として、このような将来構想でよいのでしょうか。