初等の選修制がなくなった結果、今年秋に教育実習に行く初等の3年生については、査定授業を行う授業教科が機械的に割り振られました。
これまでの選修制の中で、学生が査定授業を行う専門科目の山を造り、授業の指導案の書き方や授業研究を深めてきた状況と比べると、今年の3年生からは、割り振られた査定授業を行う指導案の書き方や授業づくりに関する学習時間数は、圧倒的に少なくなりました。
さらに、これまで長年にわたり、初等教員養成課程の学生については、小倉、福岡、久留米の三附属小学校に分かれて、教育実習を行うことが基本的に必修でありましたが、今年度からは約40名が、附属小学校で実習を行わず、近隣の公立小学校等で実習を行うこととなりました。
公立小学校で教育実習を行うことが必ずしも問題であるということではありません。が、
28年度改革により、生涯教育系を廃止し、全定員を教員養成課程に移した際に、50名あまりを初等教員養成課程に移したことによって、附属小学校での実習可能人数を超えてしまったということなのでしょう。
このことは、当初から、「50名も初等の定員を増員すれば、規定にもとづいて算定された附属小学校での実習可能人数を越えることが予想され、附属で教育実習ができなくなる学生が出てくる。実習に関する本学の長年の良き伝統を壊すことになる。学生指導の面からも、附属で実習を行ったものと、そうでないものが出てくるのは問題ではないか」と指摘されてきました。
教育実習をどのように行うか、という問題は、教員養成に関する最も重要な問題の一つです。
そうであるにも関わらず、本学では、指導案指導の方法等も含め、その場しのぎの対応ばかりです。
このような状況で、もっともかわいそうなのは学生です。