《最高裁判決報告集会ー②》(2019年2月17日)


 教職員組合からの声明文も出されましたので、内容を以下に貼り付けます。
通算5回にわたり、大学側の不当労働行為が繰り返された経緯がよくわかります。
集会には、宗像市民の方も来ておられましたが、「教育大の学長がこのような人権侵害を行ったことは許しがたい。ぜひこのことを広く外部へも情報共有し、学長の責任を追及すべきだ」という趣旨の発言がありました。

 声 明

 国立大学法人福岡教育大学は、最高裁による上告棄却を真摯に受けとめ、 寺尾前学長・櫻井現学長の責任を明らかにして、大学運営を刷新せよ

2019年2月12日
福岡教育大学教職員組合執行委員長 笹原 浩仁

 1月29日、最高裁判所第三小法廷は、国立大学法人福岡教育大学(以下、法人)が行った上告受理申立てを棄却する決定を行った。2018年6月28日、東京高裁は、法人が国を被控訴人として控訴した、不当労働行為救済命令の取消を求める行政訴訟につき、控訴人(法人)の請求を棄却する判決を下しており、法人はこの判決の破棄を求めて7月11日に上告受理申立をしていたものである。

 こうして、寺尾愼一前学長(現副学長)・櫻井孝俊現学長らによる不当労働行為が5度にわたって認定され、ついに法的に確定したこととなる。2016年1月29日、福岡県労働委員会(以下、県労委)は、法人による福岡教育大学教職員組合(以下、組合)に対する不当労働行為の救済命令を発出した。法人はそれを不服として、中央労働委員会(以下、中労委)に再審査請求を行い、2017年3月1日付で中労委は不当労働行為を再認定する命令を発出した。法人はこの命令をも不服とし、命令の取消を求め、国を被告として同年4月14日付で東京地裁に提訴し、12月13日、法人の請求は棄却された(国・組合の勝訴)。12月28日に法人は地裁判決を不服として高裁に控訴し、そして上記高裁判決に至った。組合は、被告である国(中労委)の補助参加人として、地裁以来の訴訟に関与してきたものである。

 不当労働行為の確定を受けて、組合は改めて次のことを要求する。

 寺尾前学長・櫻井現学長は、まずもって県労委・中労委・地裁・高裁・最高裁の判断を直視し、組合に真摯に謝罪すべきである。その前提のもとで、法人は労使関係の正常化に尽力すべきである。
次に、法人は、労働委員会のみならず地裁・高裁・最高裁における有害無益の争訟を重ねた責任を明確にし、運営体制を刷新すべきである。組合や世論による度重なる争訟中止・労使関係正常化の呼びかけにも関わらず、争訟に固執し、最高裁による上告棄却により一切の抗弁の余地を失った以上、櫻井孝俊学長・寺尾愼一副学長(前学長)ら現執行部は、大学運営と労使関係正常化を実現する主体として不適格であることがいよいよ明らかとなった。寺尾前学長の再選と本件不当労働行為(2013年12月)以来の年月はあまりに長く、その間に積み重ねられた現執行部による大学の破壊と改悪は極めて深刻である。大学の再起に全く猶予はない。
そして、不当労働行為の主たる実行者である寺尾前学長及びその行為に加担した櫻井現学長に対しては、役職者の責任の重大さを考慮して、厳正な処分が下されるべきである。

 現行制度では、学長選考は学内外の委員より構成される学長選考会議が行う。学外委員(経営協議会委員)は、元文科官僚で目白学園理事長の尾崎春樹氏、福岡県教育委員会教育長の城戸秀明氏らより構成される。本件不当労働行為は、教職員の権利を著しく侵害したものであり、教育者、まして大学を代表し、国立大学法人法第12条第7項にも規定されているとおり人格高潔であることが求められる学長として許されない行為であって、それを実行した人物が現在も副学長として大学に留まり、当時補佐役としてその行為に加担した人物が学長の任に着くことは、大学の教育的使命に著しく反するものである。これまで学長選考会議は、係争中であるという理由で本件不当労働行為に対する判断を留保してきたが、判決が確定した以上、もはや現執行部に対する正当かつ厳格な評価を下さなければならない。学長選考会議は、事実と常識に立ち返って、公正かつ透明な衆議により、大学を正常化しうる学長を新たに選任すべきである。
組合は、大学運営の刷新が実現し、安定した労使関係のもと、福岡教育大学の発展のために尽力できる日の到来することを、数年来切に望んでおり、今回の上告棄却を受けて、その機はいよいよ熟した。

 末尾ながら、県労委への申立以来、本組合の闘争に多大なご支援をいただいた全大教(全国大学高専教職員組合)、全大教九州、及び各加盟単組、その他学内外の関係者・市民に対し、心よりの感謝を表明する。組合は、法廷での勝利を踏まえ、今後とも大学および労使関係の正常化を目指して闘争を続ける決意であり、益々のご支援をお願いする次第である。