11月23日付の朝日新聞に「学長選び 教員不満噴出」というタイトルの記事がでました。この中では、10月に行われた東京大と筑波大の総長、学長選考をめぐり、教職員から総長、学長選考方法に対する不満が噴出したこと、さらに同種の問題は全国の国立大に共通する課題があることが、述べられています。
2004年の国立大法人化により、学長は学外者を含む学長選考会議によって、選考される仕組みとなりました。それまで行われていた教員による投票は、教職員による意向投票として、現在も実施されているところが多いですが、学長選考会議は意向投票の結果通りに学長を選考する必要はなく、結果を覆して選考される学長も増えています。
本学では、2013年に行われた学長選考において、意向投票の結果を覆し、2位であった寺尾慎一氏が学長として、再任されました。まもなく、意向投票そのものが廃止され、その後教育研究評議会委員をはじめ、学内のおもな役職と委員は、すべて学長指名となりました。
23日の記事中では、「東大と筑波大は教員も多く、現場にはまだ力がある。他の地方国立大も教員の不満はあるが、狭い社会であきらめ気味だ」と書かれています。
この記事を読んでくださっているみなさんに是非お伝えしたい。
我々は、決してあきらめていません。
本学で数々起きてきた異常なことは、決して特殊なことではなかったことが、みなさんにもお分かりになったでしょう。
これらの異常さは、数年の時を経て、じわじわと全国に広まり、とうとう、東大や筑波大などの巨大な大学へも到達したというわけです。
これから先、巨大大学も、本学のような状況に陥る危険性があります。
本学の無法ぶりは、意向投票結果の覆しから始まり、教員の抵抗にあいつつも、権力拡大を目指した大学執行部にとっては、勝利の軌跡と見えるでしょう。
しかし、それは決して、大学執行部の正当な勝利ではないことを、これまでの発信を通して、みなさんにお伝えしてきました。
繰り返しますが、我々は決してあきらめません。
全国の大学と手を携えつつ、みなさんにこれからも伝えてまいります。
今こそ、学問の自由を取り戻し、利権や権力を遮断しなければならないことを。
それこそが、子どもと学生のためであることを。